歯が不揃いだったり、上下のアゴの歯ならびがお互いに噛み合わない状態を、医学的には「不正咬合」と呼びます。
矯正歯科とは、これらの不正咬合をきちんと噛み合う状態、きれいな歯ならびにする歯科治療です。
しかし、正常な咬合にするために、歯を削ったり、抜いて「差し歯」にすることは、基本的にはありません。
専用の矯正装置を用いて、歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯ならびと噛み合わせを時間をかけて治していきます。
不正咬合の主な症状は、出っ歯、すきっ歯、受け口、開咬、叢生、過蓋咬合などがあります。
- 「上顎前突」
上顎が飛び出した出っ歯 - 「正中離開」
真中の2本の歯が離れて隙間があいている様子 - 「下顎前突」
受け口とも呼ばれ、顎がしゃくれます。 - 「開咬」
奥歯を噛みあわせても前歯がかみ合わず口が開いた状態 - 「叢生」
ガタガタの歯並び。八重歯が可愛いとされるのは日本だけ。 - 「過蓋咬合」
上の歯が下の歯にかぶさり過ぎている状態。
不正咬合が及ぼす症状
不正咬合をそのままにしておくと、食べ物がよく(うまく)噛めない、言葉が明瞭でなくなる、むし歯になりやすい、歯槽膿漏になりやすい、口臭の原因になる、アゴの関節に負担をかける、歯を折ったり、ケガをしやすいなどの原因にもなります。
また、見た目はよい歯並びでも噛み合わせが悪いと、顎関節症等の原因になり、頭痛や肩こり、腰痛などを引き起こすことがあります。